ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
心の中で威勢よく言っておいて、子作りというワードに赤面してしまった。

 自分で考えて自分で赤面するってどういうことだ。帰るのが少し恥ずかしくなりながら、大きな荷物を抱えて貴富さんのマンションに向かった。

 貰ったカードキーでドアを開け、「た、ただいま、です」と自信のない口調で声を出した。

 するとリビングから勢いよく貴富さんが飛び出した。

「おかえり、芳美」

 満面の笑顔で出迎えてくれた貴富さんは、後光が差しているかのように輝いていた。まさに眼福な顔立ちである。

「遅くなってしまってすみません」

「いいや、それより凄い荷物だな」

 貴富さんは私の荷物を持ってくれた。

「色々必要だと思って有紗に選んでもらいました」

「必要なものなら俺が払うのに」

 貴富さんが悔しそうに言うので、笑ってしまう。

「大丈夫です、たくさんお給料貰っていますから」

「いや、少ない。平均給与を上げなくては」

「全社員のですか?」

「芳美の給料だけ上げるわけにはいかないだろう。贔屓だと言われてしまう」
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