ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
「でも……」

 貴富さんが作った料亭のような朝食を見て自信をなくす。

 朝からこんな凝ったものを作れるようになるとは思えず、プレッシャーばかりが増していく。

「それに俺は芳美に尽くすことに至上の喜びを感じている。そして芳美がそれによって喜んでくれたら更に喜びは倍増する。だから申し訳ないなどと思わず受け入れてほしい」

 貴富さんの言葉に、肩の力が抜けた。尽くすことに至上の喜びを感じるなんて、やっぱり貴富さんは菩薩のような方だ。

 でも、それで貴富さんが喜んでくれるなら、私も嬉しい。

「はい、これからはもっと貴富さんに甘えます」

 私は顔をほころばせて笑みを咲かせた。

 すると、貴富さんは胸に衝撃を受けたかのように悶えた。

「芳美、朝からそれは反則だ。可愛すぎる」

 どうやら貴富さんの恋愛は、溺愛型らしい。甘えるのも頼るのも不得意、というか経験がないので少しずつ慣れていくしかない。
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