ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
 アパートに着くと、社長から借りたTシャツ短パンを脱ぎ、下着を履いた。

 そして、会社のロゴが入ったポロシャツと黒のチノパンを着る。これが私の出勤スタイル、もはや制服だ。

 そして眼鏡をかけて家を出た。支度時間、わずか数分。我ながらさすがだ。

 そして走って会社へ行く。アパートから会社まで徒歩十分。電車通勤とか面倒くさいので、会社の近くに家を借りた。

会社の近くに住む利点は、終電時間を気にせず仕事に集中できることだ。それを有紗に熱弁したら、「絶対、嫌。私なら耐えられない」と言っていた。人の価値観は様々だ。

郊外に聳え立つ大きな建物。建物の外観にはひと際目立つ会社の看板が掲げられている。

『JPC_F株式会社』

 社長は業績悪化で潰れかけていた老舗製薬会社を買収し、老朽化していた建物も全て改築したので近代的でオシャレな外観になっている。

 営業や経営本部が集うビルに加えて、研究施設やセキュリティハウスなどもあるので、敷地は広大だ。
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