ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
 十代で初体験している人と、二十六歳という出産適齢期での初体験は身体の構造的に受け入れやすくなっているからだろうか、と無駄に分析してみる。

(どうしよう、絶対また社長と会わなきゃいけない。いや、会いたくないわけじゃないのだけど。もうどうしたらいいかわからない)

 思考を意図的に遮断する。悩みなんてものは一つ一つ分解して分析していけば必ず解決策が見えてくるものだと思っていた。けれど、この悩みは、考えれば考えるほど深みにはまる。

 いや、ダメだ! どんな難解な問題でも解決策はなくても最善策はあるはずだ!

 もうすでに大きな失敗をしてしまっている。挽回することは不可能。でも、一つだけこの問題をなかったことにできる方法がある。
 それは、次に社長に会った時に全てを返して終わりにする。

 社長はそもそもお見合いに乗り気じゃなく結婚する気はないって言っていたし、着物を返してもらって、社長から借りた洋服も返せば、もう会う理由なんてない。

 そう、今ならなにもなかったこととして処理できる。
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