ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
「着物を返したいから家に行こう」

 と言われ、二人でタクシーに乗る。

(あれ、家? え? うん? この展開って……)

 あまりにも自然な成り行きだったので、ついてきてしまったけれど、これでいいのだろうか。

 疑問が湧き上がるも、もう乗ってしまっているし、社長の家に向かっている。

(深い意味はないよね? 荷物が大きくて持ってくるのが大変だったからだよね。もらったらそのまますぐに帰ろう)

 高級マンションの中に入り、ドアを開けて玄関に入ると、

「さあ、中へ入って」

 と言われて、靴を脱いで部屋に入った。

 リビングに行き、ソファに座るよう促されたので、小さくかしこまりながら座って待っていると、社長はキッチンに入って飲み物を準備し始めた。

「どうぞ、お構いなく」

 とは言ったものの。

(あれ、これ、もしかして私、流されている?)

 気がついた時にはもう、社長のテリトリーの中だ。

(あれ、これ、どうしたらいいのだろう。なんか、家の中でも飲む流れになっているけど!)
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