ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
 それは、つまり……。

(だめ、それは駄目!)

 頭の中で必死に止めようとしているもう一人の私がいる。

 それなのに、のこのこと寝室についていってしまっていた。

 寝室のドアが閉まり、社長は私をベッドに座らせる。

「あの……わ、私……」

 社長は私の首筋にキスを落とし、背中のファスナーを下ろそうとしている。

 まるで抵抗とは呼べないような力加減で、社長の身体を押し返そうとする。

 すると、社長はいったん動きを止めて、首を傾げて私を見た。

「どうした?」

「ちょっ、あの、わた、私、は……」

 なにを言えばいいのか、自分でもよくわからない。

「この前、有紗さんが帰ったあとに気がついたのだが、シーツに血がついていた。もしかして、初めてだった?」

 顔が一気に赤くなる。

「ご、ごめんなさいっ! 汚してしまって!」
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