ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
「そんなことはどうでもいい。それよりも、俺も余裕がなくてすぐに気がつかなくてすまなかった。やけに狭いなとは思ったけど、有紗さんも気持ちよさそうにしていたから、つい」

(は、恥ずかしすぎて、死ねる)

 言葉のインパクトが強すぎる。オブラートに包むことなく表現されたので、恥ずかしさはひとしおだった。それに、初めてのくせにあんなに何度も。

「私、おかしいのでしょうか」

「違うよ、俺たちの相性が良すぎるだけだ」

 恥ずかしすぎて涙目になった私の顔を社長は愛おしそうに見下ろし、そしてゆっくりと触れるだけのキスをした。

「大丈夫。ちゃんと責任は取るから」

(責任ってなんだろう)

 疑問が浮かぶも、社長は私の身体に体重を乗せたので、ゆっくりとベッドに押し倒された。

 優しく何度もキスをされる。とても大切にされているのが伝わる。

(どうしよう、だめだ。やっぱり私、社長のことが……)

「有紗」

 愛を囁くような声で名前を呼ばれた。いつものさん付けではなく、呼び捨てで。

(私は、有紗じゃない)
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