偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
ただキッチンにいることが多い伊那は、初めは響一の存在に気付いていなかった。
花穂が彼とよく話すようになった頃にようやく気付いたようで、最近では気軽に声をかけている。
そんな関係なので、何か用が有ってもおかしくないだろう。
「用って程じゃないけど最近よく来るなと思って」
伊那がどこか含みがある表情になった。花穂は怪訝な思いで眉をひそめる。
「三日置きくらいにいらっしゃるけど。常連になってくれるのはいいことじゃないの?」
「まあそうなんだけどね。ところで花穂は彼をどう思ってるの?」
「私?」
思いがけない質問で、花穂は戸惑った。
「そう。男性としてって意味で」
「それは……素敵な人だと思うけど」
「恋人としてはどう? あ、一般論ではなくて花穂の恋人って意味だから。彼とは考えら
れない?」
花穂は思わず目を見開いた。
「そんなの考えたこともないよ!」
「どうして? 素敵だと思うんでしょう?」
「思うけど、あまりにハイスペック過ぎる人だからそういう対象としては見てない」
彼を素敵だと思ってもあくまで憧れ。現実的な恋愛相手ではない。
花穂が彼とよく話すようになった頃にようやく気付いたようで、最近では気軽に声をかけている。
そんな関係なので、何か用が有ってもおかしくないだろう。
「用って程じゃないけど最近よく来るなと思って」
伊那がどこか含みがある表情になった。花穂は怪訝な思いで眉をひそめる。
「三日置きくらいにいらっしゃるけど。常連になってくれるのはいいことじゃないの?」
「まあそうなんだけどね。ところで花穂は彼をどう思ってるの?」
「私?」
思いがけない質問で、花穂は戸惑った。
「そう。男性としてって意味で」
「それは……素敵な人だと思うけど」
「恋人としてはどう? あ、一般論ではなくて花穂の恋人って意味だから。彼とは考えら
れない?」
花穂は思わず目を見開いた。
「そんなの考えたこともないよ!」
「どうして? 素敵だと思うんでしょう?」
「思うけど、あまりにハイスペック過ぎる人だからそういう対象としては見てない」
彼を素敵だと思ってもあくまで憧れ。現実的な恋愛相手ではない。