再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
その日は帰宅した惺さんと今後の話をしながらも、杏実との会話が頭から離れなかった。

翌朝、目覚めてすぐ、体に惺さんの腕が巻きついているのに気がついた。

眠るときは必ず一緒のベッドで、と早々に約束させられた。

ちなみに悟己が一緒に眠りたいと言ったときは例外らしい。

昨夜も彼に情熱的に抱かれた。

悟己が気にかかったが、様子を見に行った彼にぐっすり眠っていると言われて落ち着いた。

再会してからの日々で何度体を求められ、抱かれただろう。

流されているつもりはないが、甘く蕩けそうなキスと触れる優しい指先にどうしても抗えない。

大事に丁寧に私の体に触れる温もりが嬉しくて切なくて、すぐにほかのことを考えられなくなってしまう。

彼へのあふれる想いは所々から漏れて、零れ落ちそうになる。


ねえ、もう一度あの頃のように好きだと伝えていい?


情炎のくすぶる目に、何度問いかけただろう。

今後も、春香さんのところで私が勤務するのを反対せず、保育園も変わらなくていいと昨夜言われた。

転園して馴染めなかったり、友達と離れ離れになるのはつらいだろうと当たり前のように告げられ、驚いた。


『大企業の妻や息子として、相応しい振る舞いをしろ、とか言わないの?』


恐る恐る尋ねると、渋面を浮かべた。

そもそもそんな役割を求められても、できるはずはないのだけれど。

やはり今後はそういった知識や振る舞いを身につけるべきではないかと焦りと重圧を感じていた。
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