再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
惺さんとの関係もまだぎこちない私に、嵯峨家の妻としての役割が務まるのだろうか。


『……できるだけ早く、身につけられるように努力するわ』


『必要ない』


先手を打つように苦し紛れに伝えた決意を、惺さんは一蹴した。


『俺は家のためにじゃなく、お前たちとともにいたいから結婚するんだ。気持ちは嬉しいが無理しなくていい。それよりも三人の生活に一日も早く慣れてほしい』


眉間に皺を寄せたまま、思いがけない台詞を紡ぐ。


『でも……』


『今はなにより離れていた時間を埋めたい』


真っ直ぐな物言いが深く胸に刺さり、惺さんにとってこの四年がどんなものだったのか、まったく知らない事実に気づく。

彼があきらめずにいてくれたからこそ、再び出会えたのに、肝心な話ができていない。


……本当に、私たちは言葉が足りなさすぎる。


これから、距離を縮められるだろうか?


『話は変わるが、木曜日に婚姻届を出しに行く』


思考の海に沈んでいると話題を変えられ、うなずく以外できなかった。
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