再縁恋～冷徹御曹司の執愛～

「長い間誤解して離れていたわけだし、混乱して当然よ。きちんと分かり合うには離れていたときと同じ時間の長さが必要よ。希和ちゃんが抱えている迷いや怯えを全部そのままぶつければいいの」


親友と同じようなアドバイスをもらう。


「希和ちゃんを傷つけた男の味方をしたくないけど、彼も同じじゃない？　彼は本気よ。ひとつ教えてあげる。この間ね、姉さんから連絡があって聞いたの」


「なにを、ですか？」


「ふたりを保護してくださり本当にありがとうございました、後日改めてお礼に伺いますって嵯峨副社長から電話があったんですって。姉には私から伝えておくって言ったのにね」


新たな情報に目を見開く。


「姉さんが私以上に厳しい意見と態度を示したら、ひと言も反論せずにすべて自分の責任だと謝罪したんですって。姉さんが希和ちゃんの居場所を知っていながらずっと黙っていたのにひと言も責めず、逆に感謝されたそうよ」


「どうして……」


「信用できる人に守ってもらえてよかった、ふたりが無事なのはあなたがた姉妹のおかげですって」