再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
状況が状況だし、入籍は延期したらどうかとメッセージを送るとすぐに返信が来た。


【入籍は予定通り木曜日にする】


【一日も早くきちんと夫婦になりたい。もう待ちたくない】


率直な文章に心が震え、目頭が熱くなってしまったのは内緒だ。

この数年は涙を流すなんてほとんどなかった。

自分の感情を顧みる余裕もなく、一度泣いたら弱さに吞み込まれ、すべてに立ち向かえなくなりそうで怖くて必死にこらえていた。

けれどあの人が近くにいると、こんなにも簡単に涙腺が緩んで、心が柔らかくなる。

ひとりで頑張らなくていい、自分の不甲斐なさ、情けなさを抱え込まず甘えて、一緒に向き合えばいいと改めて教えてもらった。

一緒に立ち向かって、気持ちを共有してくれる人がいるのがどれだけ幸せで心強いかを思い知った。

こんな想いや経験を与えてくれる人は彼しかいないと認識すると、戸惑っていたのが嘘のように穏やかな気持ちになり、入籍を心から嬉しく思えた。
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