再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「一応風呂には入れたが……シャワーを浴びるか?」


衝撃的なセリフに耳を疑う。

パッと額を外し、整った面立ちを凝視する。


副社長に、お風呂に、入れてもらった? 


全身を明るい場所で見られたの?


羞恥で全身が震えて発熱しそうだ。


「……なにを考えているか、当てようか?」


クスクスと楽しそうな声を漏らす。


「希和は俺のものだし、今さらだろ? なんの問題もない」


シーツを引っ張り上げ、中に隠れようと身じろぎする私を筋肉質な長い腕が遮る。

腕の中に囲い込まれ、シーツごと抱きしめられる。


「本当に可愛いな、希和」


「か、可愛くなんか……っ」


ハハッと笑う声に、これまでの印象が完全に覆る。

甘すぎる会話と触れ合いに鼓動がどんどん速くなって、体温が上がっていく。

昨日から意外な一面を見てばかりだ。


「可愛いよ、俺の恋人は」


頭頂部にキスを落とされ、肩が跳ねる。

“恋人”と明確に再び言葉にされた嬉しさと安堵が胸にじんわりと広がっていく。

同時に恋人には、こんな風に甘く優しくなるのかと醜く鋭い刺が心を刺す。

想いが届いただけでも夢みたいなのに、自分勝手な感情に嫌気がさし、想いの深さや嫉妬心を知られたくないとギュッと目を閉じた。


「希和をずっと抱いていたいが、そろそろ準備をしなきゃいけないな」


低い声にハッとして目を開けた。
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