飛べない小鳥は見知らぬ運命の愛に震える
 美鷹と一つになりたい。
 潤んだ目で美鷹を見上げる。
「それでいいんだ」
 美鷹は満足そうに微笑んだ。琴鳥の腕をそっと撫でる。歓喜が琴鳥を包んだ。
「私はね、ずっと運命の番を探している。だが、男も女もオメガには魅力的な人が多くてね。たった一人なんて選べないよ」
 美鷹は彼女の手をとり、その指先に口づけた。それだけで甘美な刺激となり、琴鳥は吐息を漏らした。
「だからね、私はみんなを愛することにしたんだ。そして、仲間と一緒にオメガを愛することにしたんだ」
 何を言っているのか、ぼうっとした頭では理解できない。ただ、ひどいことを言われているのだけがわかった。
「オメガのみんなも楽しんでくれているよ。いつもかわいい声で鳴いてくれるんだ」
 愛おしそうに、美鷹は琴鳥の手に頬ずりした。
「君はあの男が現れるたびにフェロモンを出していたね。本当の運命の番はあの男かな? せっかく出会った運命の番を知らずに奪われたと知ったら、あの男はどんな顔をするかな。やつには少しばかり遺恨があってね」
 くすくすと美鷹が笑い、琴鳥のブラウスをはぎとる。
 なぜここであの男の話が出てくるのか、それも琴鳥にはわからない。
 逃げなくては、と思った。
 が、体が言うことをきかない。手足がしびれたようにうまく力が入らない。
 飛ばないハトが頭をよぎる。
 次いで、パイになったハトが。
 逃げれば良かったのに。
 美鷹に近づくなと警告されていたのに。
「愛してるよ、琴鳥」
 美鷹が彼女に覆い被さり、琴鳥の唇を奪う。
 意志に反して、体がとろけていく。体の芯が燃えるようだ。
 このまま、美鷹に……。
 嫌だ、やめて。
 相反する気持ちが、琴鳥の身を焼く。
 美鷹の唇は首へ、デコルテへ、徐々に移動していく。
 そのたびに未知の快感が琴鳥を襲い、声が漏れる。思わずシーツを握りしめる。
「かわいい。もっとさえずりを聞かせて」
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