飛べない小鳥は見知らぬ運命の愛に震える
 美鷹が琴鳥のスカートに手をかけたとき。
 ドアが激しく叩かれた。
 美鷹が舌打ちした。
「緊急です、開けてくれないとこちらで開けます!」
 ドア越しに女性の声が響いた。
 再度舌打ちし、美鷹は部屋にあったガウンを羽織った。
「少し待っていておくれ」
 琴鳥の頬に愛しげにキスをして、ベッドを離れた。
 ドアを開ける。
 その瞬間、外から大きく開けられ、数人の男と1人の女性が入ってきた。
「お前!」
 美鷹が声を上げる。
 1人の男は顔をしかめ、鼻をつまんで琴鳥の元へかけつけた。上着を脱いで、彼女にかける。
「念のために聞くが、これは同意か」
 ボサボサ頭にメガネの男が聞いた。
 琴鳥はかろうじて首を横にふった。
「同意だ!」
 美鷹が怒鳴る。
「彼女は否定した。準強制性交罪未遂の現行犯だが――警察なら準強制わいせつ罪ってところか」
 男は言った。
 彼の仲間がスマホで警察を呼び、美鷹が逃げないように取り囲む。
「不法侵入だろうが!」
「ドアはお前が開けたんだ。彼女が襲われているのが見えて助けるために部屋に入った。緊急避難だ」
 男は不敵な笑みを見せた。
「いつぞやの借りはこれで返せたな」
「貴様!」
 激高した美鷹は男に殴りかかる。
 男は避けずに受けた。眼鏡が吹き飛ぶ。
「暴行傷害の追加だ」
 言いながら、美鷹を取り押さえる。
「これは正当防衛だ」
 美鷹は暴れるが、押さえつけられていて逃げられない。
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