飛べない小鳥は見知らぬ運命の愛に震える
「それは違う。被害に大きい小さいもない。君は充分、被害者だ。初めはあいつの被害者のために立ち上げた会だが、今はなんらかの被害を受けたオメガのために存在している。君は参加していいんだ」
彼の熱い口調に、琴鳥の胸に混み上がるものがあった。
「私、悔しかったんです。オメガだっていうだけで下に見られて、なんでこんな目に、って……」
「理不尽には怒っていいんだ。我慢しなくていい」
怒っていい。
その言葉に、なにかが許された気がした。
「美鷹さんに慰められて、うれしかったんです」
言葉はもう、止まらない。
「身内に慰めてもらうのとはなにかが違って」
「第三者に認められることで社会に認められた気がしたんだろう。わかるよ」
「ずっと、自分が悪いんだと思ってたんです」
「被害者はなぜか自分を責める傾向にある。君がそう思うのは自然なことだ。だが、それは違う。自分を責めなくていい」
「あの程度のことで外に出るのが怖いなんて。弱い自分が悪いんだって……」
「あの程度じゃないだろう。充分につらい被害だ。それに弱くて何が悪い。自分の苦しみを過小評価する必要はない。苦しいって言っていいんだ」
「苦しい……です」
琴鳥の絞り出すような声に、そうだな、と彼は応じた。
琴鳥は胸のうちを次々と彼に語った。
苦しかった時に美鷹に救われた気持ちになったこと。美鷹とデートして楽しかったこと。どんなに彼女が素敵だったか。
何度も同じことを言ってしまっていた。だが彼はうなずき、彼女の苦しみも恋も否定することなく聞いてくれた。
「私に隙があったからと言われればそれまでなんですが……私、本当に好きだったんです」
琴鳥は自分を守るようにずっと自分を抱きしめ続けていた。
「わかるよ。君は本当に楽しそうにしていた。だが、隙があろうとなかろうと、恋心を利用したり人の心を傷付けたりしていいわけがないんだ」
彼は静かな怒りを込めて言った。
「被害者の心の傷につけこむのはあいつのいつもの手口だ」
彼の憎悪ともいえる怒りに、琴鳥は竦んだ。
様子に気付いた彼は深呼吸して心を整える。
彼の熱い口調に、琴鳥の胸に混み上がるものがあった。
「私、悔しかったんです。オメガだっていうだけで下に見られて、なんでこんな目に、って……」
「理不尽には怒っていいんだ。我慢しなくていい」
怒っていい。
その言葉に、なにかが許された気がした。
「美鷹さんに慰められて、うれしかったんです」
言葉はもう、止まらない。
「身内に慰めてもらうのとはなにかが違って」
「第三者に認められることで社会に認められた気がしたんだろう。わかるよ」
「ずっと、自分が悪いんだと思ってたんです」
「被害者はなぜか自分を責める傾向にある。君がそう思うのは自然なことだ。だが、それは違う。自分を責めなくていい」
「あの程度のことで外に出るのが怖いなんて。弱い自分が悪いんだって……」
「あの程度じゃないだろう。充分につらい被害だ。それに弱くて何が悪い。自分の苦しみを過小評価する必要はない。苦しいって言っていいんだ」
「苦しい……です」
琴鳥の絞り出すような声に、そうだな、と彼は応じた。
琴鳥は胸のうちを次々と彼に語った。
苦しかった時に美鷹に救われた気持ちになったこと。美鷹とデートして楽しかったこと。どんなに彼女が素敵だったか。
何度も同じことを言ってしまっていた。だが彼はうなずき、彼女の苦しみも恋も否定することなく聞いてくれた。
「私に隙があったからと言われればそれまでなんですが……私、本当に好きだったんです」
琴鳥は自分を守るようにずっと自分を抱きしめ続けていた。
「わかるよ。君は本当に楽しそうにしていた。だが、隙があろうとなかろうと、恋心を利用したり人の心を傷付けたりしていいわけがないんだ」
彼は静かな怒りを込めて言った。
「被害者の心の傷につけこむのはあいつのいつもの手口だ」
彼の憎悪ともいえる怒りに、琴鳥は竦んだ。
様子に気付いた彼は深呼吸して心を整える。