新人洗濯係がのぞいた秘め事~王太子の秘密を暴いた先にあるのは溺愛か死か~

 * * *
 
 その紙を見つけたとき、ルネスランは顔をしかめた。
「なんだこれは」
 王太子妃ジャスリーナの洗濯物をチェックしていて、それを見つけた。彼はジャスリーナの洗濯物をチェックするのを習慣にしていた。秘密がバレないようにするために。

 紙にはミミズがのたくったような落書きが書かれていた。
 文字のように見えなくもない。
 暗号かとも思ったが、どちらかというとやはり、字のように見えた。

 なにかあればいってください。おたすけしたいです。

 どうやら、そう書いてあるようだった。ところどころ字がひっくりかえったりいびつになったりしていた。差出人の名前はなかった。
「どうかなさいましたか?」
 ルネスランの難しい顔を見たジャスリーナがたずねる。

「なんでもない」
 ルネスランは手紙をぐしゃりと握りしめた。
 早くなんとかしなくては。
 彼の目がギラっと光った。

 * * *

 ユリックがリエーヌを尋ねて来たのは、その夜のことだった。
 馬にのってきた彼は、またも窓に小石を当てて合図した。
 気付いたリエーヌは慌てて外に出た。
 いつかと同じように、ユリックは彼女に外套を着せてくれた。
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