新人洗濯係がのぞいた秘め事~王太子の秘密を暴いた先にあるのは溺愛か死か~
「王太子妃が危ない。一緒に来てくれないか」
リエーヌは息をのんだ。
「もしかして、私のせいで……」
ユリックは怪訝そうに彼女を見た。
「どうして?」
「私、手紙を書いたんです。王太子妃様にあてて……」
「それか……」
ユリックの呟きに、リエーヌは目をぎゅっとつぶった。
「とにかく、今は早く」
ユリックはリエーヌを抱え上げてひょいと馬に乗せると、自身もひらりと飛び乗った。
「う、馬なんて、初めてで」
「しっかりつかまって」
ユリックはそう言って急いで馬を走らせた。
* * *
初めての馬の乗り心地は最悪で、王宮に到着したリエーヌは全身ががくがくと震えていた。
それでも王太子妃を助けなくては、と自分を叱咤して、リエーヌを気遣うユリックとともに王太子の寝室へ向かう。
「すまない、少し焦り過ぎた」
ユリックはリエーヌに謝る。
「大丈夫です。それより、今は王太子妃様を」
2人は衛兵に見つからないように、慎重に歩を進めた。