冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて

夕方から行われたパーティーは、中央にあるレストラン施設でプロの料理人が腕を振るっている。高級そうなステーキ肉を焼く料理人から、魚介類をふんだんに使用したパエリアを作る料理人、寿司を握る職人もいる。招待客は、皆、指定されたセミフォーマルでいるが、どう見ても上流階級の人達ばかりで、警備員もあちこちに立ち安全性は抜かりないようだ。

パーティー後は、希望者と関係者は、コテージに宿泊予定で、砂羽も兄と一緒に泊まる予定で参加しているが、先程から気になる男性が2人。

プレオープンの挨拶に立った西園寺グループの御曹司は、砂羽の知るあの男性だった。

その彼が、今、砂羽の前にいて、自己紹介は、兄から「彼女は、砂羽だ」と紹介されてぺこりと頭を下げての紹介のみ。

なぜ、こんな形で出会うのだろうと、泣きたくなる砂羽の手は、兄と手を繋いでいて、恋人に見えているのだ。

彼の普段見るランニングウェア姿も筋肉質な体が強調されて素敵だが、彼の体型に合わせたオーダーメイドのジャケット姿は、体型を隠しつつ、スタイルの良さと洗練された大人の雰囲気がある。袖から見える高級時計、カフスボタンからネクタイまで計算尽くした装い。靴だって、毎日磨かれているのだというようにピカピカと光っている。
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