冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて
2人の痴話喧嘩に巻き込まれて、偽恋人役をする損な役に、馬鹿らしくなってくる。
嫉妬心むき出しでいるジェシーに、喜んでいる和希の2人が、これからどうなるかなんて、もう、どうでもいい。砂羽の役目は終わったのだ。
この場から離れて一人になりたいと思う。
「和希、私、先にコテージに行ってるね」
「なら、俺がエスコートしよう」
なぜか、霧矢が腕を差し出してくるので見上げた。
(ジェシーと和希の側にいるのが辛くなったの?)
「主催者なのに抜けて大丈夫ですか?」
「あぁ、挨拶は終わった。後は、花火が上がり終わるまですることもない。時間はあるから大丈夫だ」
宿泊するコテージに向かって霧矢の腕に手を添えて歩いていく。
服の上からでもわかる逞しい腕に手を添えているだけだが、ジョギングだけでついたものではないだろうと砂羽は彼の筋肉質の腕に脳内は、蕩けていた。
(失恋したけど、役得だわ)
それに対して、霧矢は、服の上からでもわかる柔らかな膨らみが自分の腕に当たり興奮しているとは知らない砂羽は、できる事なら、この腕に頬擦りしたいと願望をつのらせている。
「君とは、たまにジョギング中に会うな」
「そうですね。まさか、お‥西園寺さんが和希の上司だったとは、世間は狭いですね」