冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて
西園寺さんの泊まる予定だったコテージは、管理人や従業員が宿泊するコテージらしく、宿泊客用より、広々としている。
中央に鎮座したソファに下ろされて、彼が救急箱を取りに行っている間に、スカートを膝まで上げれば、血の滲んだストッキングと傷だらけの膝が現れた。
そこへ、救急箱を持ってきた霧矢が床に膝をつき、砂羽の足を太ももに乗せた。
「破けてるとこを引き裂いていいか?」
ドキドキしながらもこくりと頷いた砂羽と、ごくりと喉を鳴らした霧矢。
ビリッとストッキングが破られ、傷が現れた。
そこを霧矢は、濡らしたガーゼで優しく拭き取り、「しみるが我慢してくれ」と声をかけて、傷ついた膝に消毒薬を塗った。
痛みで膝が跳ねる。
「もう、痛いのは終わりだ。絆創膏を貼ったから、血が固まるまでとるなよ」
こくりと頷き、情けなさからうつむく砂羽の頭を、霧矢の伸ばした手が撫でた。
「他は大丈夫か?」
足を確認するように、霧矢の手のひらが足をなぞって足首を確認していく。
その手のひらの触り方にピクリと反応する。
「腫れていないようだが、無理をしないようにな」
そう言い、霧矢は、砂羽の顔を見つめた。
そこで初めて顔が近くにある事にお互い気づき、息を呑んだ。