冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて
「違う。断じて違う。俺でない男に抱きつく君を目の当たりにして、訳のわからない感情で狂っていた。休みの朝、ジョギングですれ違う君に声をかけたかった。一目惚れなんだ。俺と付き合ってくれないか?」
「私も、ジョギングですれ違う西園寺さんに憧れていました。素敵な人だから、ご結婚されてるかもとか思うと、ご挨拶もできなくて、すれ違うだけで嬉しかったんです」
「そうだったのか。先週のおばあさんに寄り添う君を見つけ、思わず行動してしまったが、話す会話が思いつかず、名残惜しんで去っていなければ、今日、君は私の隣に立って、手を繋いで、腕を組んで、恋人でいてくれたのだろうか?」
「今からじゃダメですか?」
「それは、俺と付き合ってくれると思っていいのか?」
「正直、西園寺さんと私では、環境が違い不安だらけです。だけど、西園寺さんも同じ気持ちでいてくれたと知って嬉しいんです。付き合っていけば、いろいろ出てくると思います。その都度、話し合うことを約束してくれますか?」
「もちろんだ。俺は、君に不満なんて出てこない。だが、君の方は出てくると思う。嫌われないよう頑張るつもりだ」
隣に大きな体を移動させた霧矢は、砂羽を抱きしめて、彼女の柔らかな肉感を堪能する一方で、砂羽も霧矢の筋肉を手のひらに感じて堪能していた。