冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて
霧矢は別の本音を言うには、まだ先だと、言葉を選び直して当たり障りない言葉を伝える。
外から、花火が上がる音に、砂羽は窓を見つめる。
「首に手を回して、捕まってろよ」
そう言うなり立ち上がった霧矢は、砂羽を抱き上げたままコテージの外に出て、デッキに置かれたベンチに座り、砂羽を膝に乗せて一緒に花火を見上げる。
招待客も外に出て花火を見上げている。
「こんな近くで見るなんて初めて」
はしゃぐ砂羽が愛しくて、頬へ何度もキスする霧矢。
「花火見ないんですか?」
霧矢に振り向いた砂羽の唇にチュッとキスが落ちる。
「俺は砂羽のほうがいい」
花火を見る砂羽の邪魔をしない程度に、霧矢は、砂羽を愛でていた。
花火が終わり、プレオープンは終了。
帰る招待客を見送る為に、霧矢は「ちょっと行ってくる。後でコテージまで送るから、待ってろよ」と言い、身なりを整えて出口へ向かった。
一人残された砂羽は、いまだ夢のようで浮ついている。
(あの霧矢さんが彼氏なんて、あー、夢みたい)
砂羽は霧矢限定だが、筋肉フェチだと思う。
ジョギングウェアからみえるあのフォルムは、砂羽にとって眼福でしかない。
唇や頬に残る感触は本物で、キス以上のことを彼とする日を想像する。彼の裸姿の肉体美の美しさを脳内で描くと鼻血が出そうなほど興奮して、のぼせてしまう。