冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて

「和希、あんなちんちくりんな胸だけの女と付き合って、俺に当てつけてるのか?ジェラシーでどうにかなりそうだ」

ちんちくりんだの胸だけの女だの、ワナワナと怒りで震えているのは私ではない。

霧矢の表情が、凄みを増していて、怒りで乗り込みそうな勢いだ。

思わず、霧矢をなだめる為に唇にチュッとキスすると、目元を緩め「砂羽は俺の女神だから、あいつの言うことは気にするな」と慰めてくれる。

「僕の方がずっとジェラシーばかりしてたよ。無駄に誰にでも愛想良くする君なんて嫌いだ」

「嫌いだなんて言わないでくれ。僕の運命は和希だけだ。もう、和希を悲しませることはしないと約束するから、やり直すチャンスが欲しい」

その言葉を待ってましたとばかり、「ジェシー
愛してる」

「かずき、俺も愛してる」

お互いを呼び合い盛り上がっていく様子に、霧矢と苦笑し、ドアをノックした。

しばらくして、頬を上気させた和希が髪を撫でつけながら、ドアを開ける。

「砂羽…と、霧矢⁈どうしたんだ?」

「足を怪我したんだ。邪魔するぞ」

驚く兄の横を素通りし、中にいるジェシーを一瞥した霧矢は、そこをどけと視線で威圧。

ジェシーが座っていたベッドに座らせられて、腰を床に下ろした霧矢は、甲斐甲斐しく砂羽の世話をやきだす。
< 21 / 46 >

この作品をシェア

pagetop