冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて
「和希、あんなちんちくりんな胸だけの女と付き合って、俺に当てつけてるのか?ジェラシーでどうにかなりそうだ」
ちんちくりんだの胸だけの女だの、ワナワナと怒りで震えているのは私ではない。
霧矢の表情が、凄みを増していて、怒りで乗り込みそうな勢いだ。
思わず、霧矢をなだめる為に唇にチュッとキスすると、目元を緩め「砂羽は俺の女神だから、あいつの言うことは気にするな」と慰めてくれる。
「僕の方がずっとジェラシーばかりしてたよ。無駄に誰にでも愛想良くする君なんて嫌いだ」
「嫌いだなんて言わないでくれ。僕の運命は和希だけだ。もう、和希を悲しませることはしないと約束するから、やり直すチャンスが欲しい」
その言葉を待ってましたとばかり、「ジェシー
愛してる」
「かずき、俺も愛してる」
お互いを呼び合い盛り上がっていく様子に、霧矢と苦笑し、ドアをノックした。
しばらくして、頬を上気させた和希が髪を撫でつけながら、ドアを開ける。
「砂羽…と、霧矢⁈どうしたんだ?」
「足を怪我したんだ。邪魔するぞ」
驚く兄の横を素通りし、中にいるジェシーを一瞥した霧矢は、そこをどけと視線で威圧。
ジェシーが座っていたベッドに座らせられて、腰を床に下ろした霧矢は、甲斐甲斐しく砂羽の世話をやきだす。