氷の華とチョコレート

 キラキラとしたショッピングモールの明かりが下に見え、遠くになるにつれ暗くなり、公園のある方は、ほとんど明かりがなくなる。そして、水平線あたりに、ぼんやりと漁り火が見えた。


「……」


 遠くの海に浮かぶ船が、一層、二層……。


「何だか、落ち着きますね」

「うん、何か考えたい時にはいいよ」


 誰もいない渡り廊下の静けさと、薄明かりが心地いい。ぼんやりと、ただ夜景を見ていると、昼間の気まずかった時のことをい出した。


「……」


 あかりさんが来てくれなかったら、今頃もっと気まずかっただろう。


「……昼間のこと、すみませんでした」

「えっ?」

「雰囲気、悪くしちゃって……」

「あぁ、全然」


 真間さんの笑顔に、少しだけホッとした。



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