氷の華とチョコレート

 どうして、こうなってしまったんだろう?

 窓の外の夜景を、私は、ただどうしようもない気持ちで見下ろしていた。目に映る美しい光は、もう、ただの灯りでしかなく頭の中は、別なことでいっぱいだった。

 真間さんに連れられて、夜景の見える廊下を進んだ。その先に、高層ホテルのフロントが見えた。

 あっ……。

 その時、私は、自分がとんでもないことを言ってしまったんだと理解した。気が動転して、何を言ったのかさえもう、思い出せない。


「……」


 そして今、夜景の見える部屋に、彼と2人きりでいる。


「……」


 どう、しよう……。

 今さら誤解でした、なんて言えるわけない。

 でも、言わなければ、私……。



< 63 / 310 >

この作品をシェア

pagetop