【完結】ぶらっでぃ☆ふぃあんせ!!~幼馴染の男の子が実は双子のヴァンパイアで溺愛されてます~

パーティーの始まり、お父さんの涙に、不穏な言葉??


 時間になって、お母さんとお父さんが屋敷にやってきた。
 私達も玄関に行く。
 
「お久しぶり~! お招きありがとう~~! もう~懐かしい~カイくんママ~!!」

「お久しぶりねぇー! また会えて嬉しいわ!!」

「これ、ローストビーフとサラダ。毎度の素人料理なんだけど」

「まぁ、ひなちゃんママのお料理! うちの双子も大好きだったわ! レシピを教わったわよね」

「うわー嬉しい! 覚えててくれたのね!」

「もちろんよ~」
 
 カイくんのママとお母さん、いっつもお茶してワイワイ楽しそうに話してたもんね。
 やっぱり双子ってことで思い出は修正されてるみたい。
 私は、二人を交互に見上げる。

「雛菊のママさんのローストビーフ、楽しみだな」

「サラダもすごく美味しかったの、覚えてる」

 ママの料理は私も世界一だと思うんだけど、私も頑張ってお料理作りたいなって思っちゃう。
 お母さん達がワイワイする横で、お父さんが棒立ちしてたけど私を見て微笑んだ。

「雛菊、カイリくん、カイトくん。入学おめでとう!」

「お父さん、ありがとう!」

「「おとうさん、ありがとうございます」」

 二人がにこやかに微笑んで、自然にそう言った。
 私と同じ『おとうさん』だけど、意味は違うよぉ。

「う……ううう……まさか、まさか高校入学と同時に嫁に……」

 お父さんが玄関で泣きはじめて、私は慌てる。

「もうお父さ~~ん!! こんなところでなんで泣いてるの!?」

「おとうさん、しっかり!」

「おとうさん、大丈夫ですか!」

「うぁあああ~~イケメンの息子が二人も突然!! 娘が嫁に!! うぁあああ」

 お父さん、混乱しすぎ!
 でも、間に挟まれたらパニックになっちゃうイケメンだっていうのは私もわかるよ! お父さん!
 
「あなた、もう~騒がしい~!」

「こんな玄関で話してたらダメね! 早くリビングへ行きましょ! パーティーの用意をしているわ!」

 カイくんママがにこやかに言った。
 執事のジャックさんや、いつものメイドさんの他にもズラーッと人がやってきてお母さんの荷物やら泣いてるお父さんを支えたりしてリビングにみんな移動された。

 映画で見るような白いテーブルクロスがかけられた、すごーく長いテーブル。
 そこに美味しそうな料理が並んでる!

「どうぞ、雛菊」

 二人にエスコートされて、私は装飾がきれいな椅子に座った。
 もちろん二人は両隣。
 その横に、カイくんのママ。
 私達の目の前には、お父さんとお母さんが座った。

 なんだか……照れちゃう。
 
「じゃあ改めて入学おめでとう~!!」

「おめでとう!」

 カイくんママの合図で、お母さんとお父さんも大きな声でお祝いしてくれた。
 使用人の皆さんも拍手してくれて、素敵な音楽が流れる。

「雛菊とまた一緒にいられて嬉しいよ」

「うん、私も……」

「必ず、雛菊を守り続けるよ」

「うん」

 両親の前で恥ずかしいんだけど、とっても嬉しい……。
 だって私もずっと待ち望んでいたことだから。
 
「うう……しかし、ブラッディ・フィアンセになって、うちの娘に危険は及ばないのかい!?」

「えっ?」

 危険?

「それには誤解があって、ブラッディ・フィアンセになったから雛菊が狙われるわけじゃないんです」

 え? 狙われる?

「ブラッディ・フィアンセに選ばれるほど魅力的だから、狙われるんです」

 もっかい狙われるって言われた!
 二人の話は続く……。

「雛菊はとても魅力的な女の子です。俺達はそんな雛菊に惹かれて彼女を愛してしまった……それは外見だけではなく優しくて可愛い雛菊の心も知っているからですが……おっしゃるとおり、雛菊に惹かれてくる奴ら……魔族……は沢山いるんです」

 んん? カイトくん……今なんて?
 お父さんは聞こえてないみたいだけど……小さく魔族って言った?
 
「だから俺らが雛菊を守ります。他のやつら……魔族……には指一本触れさせないから」

 カイリくん、どういう事?
 やっぱり小さく、魔族って言わなかった?
 
「そうだな……どこの馬の骨……に娘をとられるくらいなら……ううっ君たち……ううっお父さんと呼んでくれーーーー!!」 
 
「おとうさん、雛菊を一生守ります」

「おとうさん、雛菊を愛し続け尽くし続けます」

「息子達よーーーー!! 雛菊を頼むっ!!」

 お父さんが泣きながら、テーブル越しに二人に握手を求めて二人も握り返した。
 もう~! なにこれ! 恥ずかしいよー!

 それにさっきの言葉は?

「ねぇどういうこと? ……今ちょっと魔族って聞こえたような?」

「可愛すぎるから変なのにモテるんだよ」

「雛菊は可愛すぎるからね……」

「えっそんなことないんだけど~~」

「そんな事あるよ」

「あるね」

 二人にテーブルの下で手を握られる。
 えーー!?
 絶対魔族って聞こえたんだけど、でも二人がいれば大丈夫なんだよね……? 
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