君の隣で歌いたい。
美奈と土井ちゃんの背中を見送った数分後、沢里の表情からふと笑顔が消えた。
見ると男子数人が私たちの前で立ち止まって、なにかを言いたそうにしている。
「お前ら……」
もしかしなくても沢里の前の学校の人たちだ。
私はばっと前に出て、「今日は来てくれてありがとう!」と思い切り叫んだ。
沢里がぎょっとするのが伝わってきたが、彼らを呼んだのは私なのだから、礼を言うのは道理だ。
「私の相棒どうでしたか! 歌もギターもめちゃくちゃ上手いんですよ! 背も高いしかっこいいでしょ! 【haru.】っていうんですけど今ならなんとむぐっ」
「通販番組か!」
必死のアピールの途中で沢里本人に口を塞がれた。
沢里の魅力を私の口から伝える機会は今しかないのに。
彼らは「【linK】だ」「本物だ」とざわめきながら若干身を引いている。