君の隣で歌いたい。


「あのー【linK】」

 ふと彼らに呼ばれたと思ったら、目の前に色紙が差し出される。

「サインください!」「俺も!」「シャツに書いて!」

「わ、わ」

「あー! お前らもう散れ!」

 ぐいぐいくる男子たちに気圧されていると沢里が追い払ってくれた。

 多分悪い人たちではないのだと思う。

 少しずつ歯車がかみ合わなくなって、沢里と上手くいかなかっただけで。

 そうなってしまうのはよく分かる。

「沢里、よかったの?」

 色々な意味を込めて沢里に問う。沢里はどこかすっきりとした表情で空を見上げて言った。

「ああ、いいんだ」

 その答えに私は黙って頷く。

 一度外れた歯車が戻ることはないかもしれないけれど。

 違う歯車が連なっていったその結果、別の形でまた繋がることだってあるはずだから。

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