夫婦ごっこ
「そうなんだ……じゃあ、頑張るっていうのは、また告白するってこと?」
「はい。そのうち告白します。でも、同じままだとまた振られるじゃないですか。どうしたらいいんですかねー?」
「どうしたらも何もその情報だけだと何も言えないでしょうが。もうちょっと順追って話してよ。相手はどこの誰なわけ?」

 久美はやれやれという顔をしながら、ゆめに問うていた。確かに三回振られましたというだけでは何のアドバイスもできないだろう。

「えっと、家の近くにお気に入りのカフェがあるんですけど、そこにいつもいる人なんです」
「常連同士ってこと?」
「まあ、そうですかね? 私が行くといつもその人いるんですよ。それでいつもいるなーって見てたんですけど、そのうちコーヒー飲んでる姿がいいなーって思ってきて、好きになって、告白したんです」
「……うん?」

 告白までの流れがあまりにも雑でまったくイメージが湧かなかった。好きになった過程もよくわからないし、好きから告白までの過程もさっぱりわからない。以前ゆめは奈央の馴れ初め話にケチをつけてきたが、ゆめの話のほうがひどいだろう。さすがに、これだけでは何も言えない。もう少し詳しく話してもらわないとわからない。そう思ったのはどうやら奈央だけではなかったようで、久美は頭を抱えながらゆめに詳細を問いはじめた。
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