夫婦ごっこ
義昭の言葉に甘えて先に風呂を済ませた奈央は、自分のベッドに横たわり、義昭とのやりとりを反芻していた。
義昭は奈央の気持ちを知ってもまったく困っているようには見えなかった。わざと隠しているようでもなかった。奈央が思っていたよりもずっと優しくて甘くて、こうして落ち着いてみるとなんだか現実味がない。まるで都合のいい夢でも見ていたかのようで、奈央は義昭の言葉や表情を繰り返し脳内再生しているのだが、そうすればするほど夢の中に浸っていくようだった。
義昭が寝室に入ってきたことにも気づかずずっと頭の中の義昭を追い続けていたのだが、現実の義昭がそれを強制終了させてしまった。
「奈央さん、そっちじゃないでしょ?」
「え!?」
義昭は奈央がかけていた布団をめくったかと思うと、軽々と奈央を抱き上げ、義昭のベッドまで連れていってしまった。そのまま優しく奈央を義昭のベッドに横たわらせ、義昭自身もすぐに奈央の隣に横たわる。
「ちゃんと僕のこと誘惑しないと」
「誘惑って……」
「奈央さんに甘えてもらうのが好きだって言ったでしょ? 今まで通り甘えてごらん?」
義昭が腕を広げて、奈央においでと示してくる。ずっと離れていたから、簡単にはいけなくて、ゆっくりゆっくりと近寄ってみると、義昭はそっと奈央を抱き寄せ、その胸の中に収めてくれた。
義昭は奈央の気持ちを知ってもまったく困っているようには見えなかった。わざと隠しているようでもなかった。奈央が思っていたよりもずっと優しくて甘くて、こうして落ち着いてみるとなんだか現実味がない。まるで都合のいい夢でも見ていたかのようで、奈央は義昭の言葉や表情を繰り返し脳内再生しているのだが、そうすればするほど夢の中に浸っていくようだった。
義昭が寝室に入ってきたことにも気づかずずっと頭の中の義昭を追い続けていたのだが、現実の義昭がそれを強制終了させてしまった。
「奈央さん、そっちじゃないでしょ?」
「え!?」
義昭は奈央がかけていた布団をめくったかと思うと、軽々と奈央を抱き上げ、義昭のベッドまで連れていってしまった。そのまま優しく奈央を義昭のベッドに横たわらせ、義昭自身もすぐに奈央の隣に横たわる。
「ちゃんと僕のこと誘惑しないと」
「誘惑って……」
「奈央さんに甘えてもらうのが好きだって言ったでしょ? 今まで通り甘えてごらん?」
義昭が腕を広げて、奈央においでと示してくる。ずっと離れていたから、簡単にはいけなくて、ゆっくりゆっくりと近寄ってみると、義昭はそっと奈央を抱き寄せ、その胸の中に収めてくれた。