夫婦ごっこ
この日、たくさんたくさん義昭に甘えたからだろうか。奈央はすっかり義昭に甘える癖がついてしまったらしい。義昭の存在を感じていたくて、今まで以上に義昭のそばにいることを求めるようになってしまった。
定番になっているリビングでのパズル解きも、以前は向かい合って黙々とやっていたのに、最近では物足りなくて義昭の隣にそっと移動して並んで解くことが多くなった。
今日も奈央は義昭の近くにいたくて隣に移動してきてしまった。
「奈央さん、人恋しくなった?」
「うん」
「手繋ごうか」
奈央が隣にやってきても義昭は微塵も嫌がる素振りは見せず、相変わらず優しくしてくれる。
今もパズルを解きながら、奈央のほうへそっと左手を差し出してくれたら、奈央は自分の右手をそこへ重ねた。奈央は右利きだから、右手が塞がってしまえば、鉛筆を使えなくなるのだが、それでもこの心地いいぬくもりには逆らえない。自分が左利きだったらよかったのになんて考えてしまう。
「左手でもできるように練習しようかなー」
「ははは、そんなに僕と手繋いでたいの?」
「うん。義昭さんと手繋いでるとすごく落ち着く。安心できるから好き」
「そうなんだ。場所入れ替わろうか?」
「ううん。こっちがいい。ずっと右手で繋いでるからこっちのほうがしっくりくる」
二人でいるときはいつも奈央が左で義昭が右とポジションが決まっている。特にどっちがいいという話をしたわけではないのだが、最初がそうだったからかもうそれが当たり前になっている。だから、義昭が右側にいてくれないと落ち着かないのだ。
結局、右手は義昭と手を繋いだまま、左手で一生懸命書き込んでいたから、義昭はおかしそうに時折クスクスと笑っていた。奈央はそんな義昭を見て、いずれ左でもできるようになって見返してやろうなんて、一人心の中で思った。
定番になっているリビングでのパズル解きも、以前は向かい合って黙々とやっていたのに、最近では物足りなくて義昭の隣にそっと移動して並んで解くことが多くなった。
今日も奈央は義昭の近くにいたくて隣に移動してきてしまった。
「奈央さん、人恋しくなった?」
「うん」
「手繋ごうか」
奈央が隣にやってきても義昭は微塵も嫌がる素振りは見せず、相変わらず優しくしてくれる。
今もパズルを解きながら、奈央のほうへそっと左手を差し出してくれたら、奈央は自分の右手をそこへ重ねた。奈央は右利きだから、右手が塞がってしまえば、鉛筆を使えなくなるのだが、それでもこの心地いいぬくもりには逆らえない。自分が左利きだったらよかったのになんて考えてしまう。
「左手でもできるように練習しようかなー」
「ははは、そんなに僕と手繋いでたいの?」
「うん。義昭さんと手繋いでるとすごく落ち着く。安心できるから好き」
「そうなんだ。場所入れ替わろうか?」
「ううん。こっちがいい。ずっと右手で繋いでるからこっちのほうがしっくりくる」
二人でいるときはいつも奈央が左で義昭が右とポジションが決まっている。特にどっちがいいという話をしたわけではないのだが、最初がそうだったからかもうそれが当たり前になっている。だから、義昭が右側にいてくれないと落ち着かないのだ。
結局、右手は義昭と手を繋いだまま、左手で一生懸命書き込んでいたから、義昭はおかしそうに時折クスクスと笑っていた。奈央はそんな義昭を見て、いずれ左でもできるようになって見返してやろうなんて、一人心の中で思った。