氷の女と呼ばれた私が、クソガキ御曹司に身も心も溶かされるまで。




気障な子供紳士と食事をしながら、会話を続ける。

「ところで、坊ちゃんの年齢はいくつですか。」

「フッ、やれやれ…この俺を子供扱いできる女は、星羅だけなんだぜ…。」

「質問に答えて下さい。年齢はいくつですか。」

「今年で12歳になったんだぜ。」

私は腕時計を見た。

時刻は21時になりつつある。

それを確認してから、私は子供紳士に告げた。

「そうですか。子供はもう寝る時間ですよ。」

すると、宗像シドが髪を掻き上げながら言った。

「フッ、今夜は星羅の為に、このホテルのスイートを取ったんだぜ。俺は最初に言ったはずだぜ、今夜はお前を帰さないと…。」

「で?」

「え?」

「私をホテルのスイートに連れ込んで、何をするんです。」

私の質問に、宗像シドがようやくその気障な口を閉じ、困惑顔になる。

答えを用意していなかったというより、自分でも答えが分かっていないという顔だ。

先程までの威勢はどこへやら、宗像シドが急に大人しくなって、私に意見を求める。




< 10 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop