氷の女と呼ばれた私が、クソガキ御曹司に身も心も溶かされるまで。




浴室のガラス窓の向こうに広がる、煌びやかな夜景。

その眺望に目もくれず、私は熱いシャワーを頭から浴びた。

こうしている間は、何も考えずに済んだ。

しかし、シャワーが終われば、嫌でも現実の問題と向き合わなくてはならない。

一体、私は明日からどうすればいいのか…。

阿良々木に四六時中つきまとい、秘書の真似事をするのが私の仕事なのだ。

阿良々木が私の前から消えたということは、つまり、私は職を失ったということだ。

15分程でシャワーを済ませ、浴室から出る。

替えの下着がないので、素裸の上からバスローブを羽織った。

例えば何かの拍子にバスローブがポロリするような事態が起きたとしても、私は平然としていられるだろう。

何せこの部屋には12歳の子供しかいないのだから。

今後のことに頭を悩ませながら部屋に戻ると、そこに宗像シドの姿はなかった。

ベッドルームに足を向ける。

いた。宗像シドは宣言通り、ベッドの上で待っていた。

キングサイズのベッドに寝転がり、鼻歌を口ずさみながら何かゴソゴソとやっている。

その姿を見て、私は覚悟を決めた。

子供の相手は得意ではないが、仕方ない。当面は子守のバイトで食い繋ぐとするか。




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