氷の女と呼ばれた私が、クソガキ御曹司に身も心も溶かされるまで。




「…私が本気だと言ったら、どうします。私が身も心もあなたに捧げると言ったら、あなたは私の事を受け入れてくれますか。」

アラサー女から12歳の子供へ、ヘビー級の質問。

もちろん冗談『半分』なので、返事は期待していない。

だから、シドが半泣きになりながらも「もちろんなんだぜっ!!」という言葉で即座に反撃してきた時には、少々驚いた。

流石、子供。売り言葉に買い言葉だとは思うが、恐れというものを知らない。

シドがなるべく私の体を見ないよう顔を背けつつ、言葉を続ける。

「俺はどんな星羅でも受け入れる覚悟があるんだぜっ!!でっ、でもっ!!」

ふと、私は彼の挙動に違和感を覚えて首を傾げた。

ちょっとバスローブがはだけたくらいで、シドは取り乱しすぎではないだろうか。

別に素っ裸になったわけじゃない。

下はちゃんと履いている。

まぁ、上は何も着けていないが、彼は割と最近まで母親の乳をしゃぶっていた(あるいは一緒に風呂に入っていた)年齢で、女の乳房などさして珍しくないはずだ。

次の瞬間、その尋常でない動揺の理由をシドが叫んだ。

「でっ、でも、せめてパンツくらいは履いてほしいんだぜっ!!!!」

「………。」

ああ、そうだった。

今の私はノーパンだった。

普段バスローブなんて羽織らないものだから、すっかり忘れていた。

シドが必死に訴え続ける。

「おっ、俺は星羅がノーパン派でも受け入れるんだぜっ!!でっ、でも、今だけはちゃんとパンツを履いてほしいんだぜっ!!」

「………。」

この一連の流れは不幸な事故だ。

シドは悪くない。

多分、私も悪くない。

そう頭では分かっていたがー…しかし、羞恥心が理性を上回った瞬間、私の頭は何の罪もない子供に本気の頭突きを食らわせていた。







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