【コミカライズ】「石油王にオレはなる!」 ~極上(プラチナ)御曹司と溺愛出張いってきます!!~
 にっこりと笑った社長を前に、王子がぐぐっと喉の奥を鳴らす。

『君は余程フィアンセが大切なようだ。あれほどの金の卵を手放すとは……よし、では勝負しよう』

 二人の男の思惑が重なった瞬間、王子は手をパンパンと打った。周囲にいる護衛と思しき者の一人が、さささっと走っていく。

『勝負はルーレットで』
『いいだろう』

 王子の指定する勝負は、ルーレットを転がる玉が赤枠か黒枠のどちらに落ちるかをあてるゲームだった。カジノの中心に位置するルーレットまで、歩いていくうちに周囲が騒然としてくる。どうやら、油田の採掘権を賭けた勝負であることが光の如く広まったようだ。

 王子はルーレットの台までくると、ディーラーに『貸し切りだ』と伝える。それまでルーレットを楽しんでいた人たちもさっと避けていく。彼が何者であるか、皆知っているからだ。

『兄弟、君に選ばせよう。赤と黒。どちらがいい』
『そうですね、フィアンセの服の色が赤なので、今夜は赤にしましょう』
『ははっ、ずいぶん彼女にぞっこんなようだ』

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