【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
「ん? 嫌っていた? まぁ、確かに追放される前の君は、刺々しくて可愛げがなかったな」

「うぐっ」

「でも、嫌ったことなんて一度もない」

「え? そうなの?」

「そうだよ。嫌っていたら、雨の中わざわざ傘を持って追いかけたり、可愛げのない態度を改めるよう忠告したりしない。俺はそんなにお人好しではないから」

「そっか……嫌われてなかったんだ。良かった」

 ベアトリスがほっと胸を撫で下ろすと、ユーリスは優しい微笑から一転、真剣な顔で迷いなく告げた。

「俺が心配するのはベアトリスだけだ。君は俺にとって特別な人だから」

 まるで告白のような言葉に胸が高鳴る。
 
「特別な、人……? それって……」

 ベアトリスが口を開いたその瞬間、ゴーンゴーンと時刻を知らせる鐘の音が鳴り響いた。

「ベアトリス、今夜はお父上のお見舞いに行くんだろう? そろそろ出ないと、病院の面会時間に間に合わないよ」

「あっ、本当だわ! 急いで着替えてくる。ユーリス、ちょっと待っていてね!」

「ああ、分かった」
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