【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
 行方不明になっていたバレリー卿が発見されたのは、セレーナの断罪劇のすぐ後のこと。

 ユーリスが捕らえた暗殺傭兵を尋問し、伯爵が突き落とされた場所を特定。付近をくまなく捜索したところ、護送に同行していた騎士と共にバレリー卿が発見された。

 彼らは怪我こそしていたものの命に別状はなく、ベアトリスは父親と無事に再会を果たせたのだ。

 ユーリスは、嬉し泣きするベアトリスの様子を思い出しながら『本当に良かった』としみじみ思う。

 その時ふいに、通りかかった聖女たちの会話が聞こえてきた。

「ねぇねぇ。アラン殿下の婚約者、誰になると思う?」

「『王太子は聖女を伴侶として迎えるべし』の王室の慣わしを考えると、第一候補は今代で最も力の強いベアトリス様よね?」

「そうだけど……ベアトリス様は一時期フェルナン殿下と婚約していたでしょう? アラン殿下だって、異母兄の元婚約者をめとるなんて、気まずいんじゃないかしら」

「う~ん。でも兄弟でひとりの女性を奪い合う……そういう展開、恋愛小説ではよくある話よね~!」

「ある~、ある~!!」

 賑やかな話し声が徐々に遠ざかっていく。
 
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