エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 私を抱き締める時の力強さを思い出してしまい、気恥ずかしくなって目を逸らした。

「自炊は得意なほうだ。知っているだろう?」

「それは……うん」

 婚約者だった頃、北斗はよく手料理を披露してくれた。

 大学生時代から趣味で海外を飛び回っていた彼は、珍しい料理もいろいろと知っている。

 食事のたびに予想できない料理を出され、いつもわくわくしていたのを思い出した。

「なにがいい? といっても、今から買い物に行く時間はないから、冷蔵庫にあるもので作ることになるが」

「……ペンネとトマトのファルシーがいい」

 私の答えを聞くと、北斗がくすぐったそうに笑みを浮かべる。

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