エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「いつでも作れるように、材料を切らさないでおいてよかった」

 なにか言われるかと思ったけれど、彼が言ったのはそれだけだった。

「先にシャワーを浴びてくるといい。その間に作っておくから」

「手伝うよ」

「それも魅力的だが、デザートは後に取っておきたい」

 すっと動いた視線は、それ自体が熱を持ったように艶やかだった。

 なにを言わんとしているのか察し、顔が赤くなるのを感じながらそそくさと浴室へ逃げ込む。

 浴室のドアを閉めてから、バッグを持ってきてしまったことに気がついた。

 今から廊下に出るのも恥ずかしい気がして、そのまま服を脱ぎ始める。

 彼はデザートを欲しがっている。

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