エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 ベッドの上での時間を意識しないよう話を逸らして席につくと、北斗も私の前に座り、丁寧に手を合わせた。

「いただきます」

 私も北斗に続いて『いただきます』を言い、久し振りのペンネを口に運んだ。

「……やっぱりおいしいね」

 最後に食べた時とまったく味が変わっていない。

 私が大好きな北斗特製のペンネの味だ。

「そう言ってもらえると安心する。好みが変わっていたらどうしようかと思っていたからな」

 料理の感想を言おうとしたのに、胸が詰まって声が出なくなった。

 私の好みを覚えてくれていたのだ。

 なぜだか泣きたくなって、気づかれないようにうつむいて食事を続ける。

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