エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす

 真顔で言うあたりが北斗のすごいところだと思う。

 本心から言っているのだろうなという気はするけれど、信じるのは少し怖い。

「ちょっと不真面目に聞こえるね。外交官って一応エリートなんじゃないの?」

「俺の周りにいる奴らは至って普通の人間ばかりだ」

 職業柄、一般人には明かせないことも多いのか、北斗はあまり自分の仕事について話さない。

 私が外交官としての北斗の姿を見たのは、再会したあのホテルの時だけだ。

 もっといろいろ知りたいと思う反面、踏み込めないと思う気持ちもある。

 彼は私に対して好意的に接してくれているけれど、それに甘えるのは避けたかった。

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