エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 結婚まで秒読み段階だったあの頃、私は父に借金があることを知った。

 知人の連帯保証人になったのが原因で、とても父だけで返せるような金額ではなかった。

 専業主婦の母がパートで稼いだところで焼け石に水となれば、私の援助が必要になってくる。

 兄弟がいれば話は違ったのかもしれないけれど、私はひとりっ子だ。

 返さなければならない借金を背負ったまま北斗と結婚したら、彼にも迷惑をかけてしまう。

 相談すれば、彼は快く助けてくれただろう。

 間違いなくそうしてくれると断言できるほど彼を理解していたからこそ、助けを求められなかった。

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