エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 日付を越えて俺以外の誰かと楽しく過ごすつもりなのか――と彼女を引き留めたい気持ちが込み上げる。

 いっそこのまま外出禁止令を出して部屋に閉じ込めてしまおうか。

 本気でそんな考えが浮かぶなんて、どうやら俺はかなり動揺しているらしい。

「……迎えに行こうか。夜遅くなるならそのほうが安心だろう?」

 努めて冷静に提案した自分を心の中で褒めておく。

 これなら純美が遅く帰ってもまだ安心だ。

 ついでに彼女がどこの誰と過ごしていたか、わかるかもしれない。

 それなのに純美はまた少し考えて、首を横に振った。

「ううん、悪いから大丈夫」

 悪くない。むしろそうしてほしい。

< 132 / 245 >

この作品をシェア

pagetop