エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「かわいい僕の子猫がお世話になったらしいね。今日は楽しんでいってくれるとうれしいな」

 百合先生が子猫だから、ロッコさんがネズミなのだろうか。

 わかりやすいようなわかりにくいような、そんな独特な愛情表現はちょっとくすぐったいものの、私のイメージするイタリア人ときれいに噛み合った。

「そうだ、バゲットを持ってきました。おいしいと評判のお店らしくて」

「ありがとう、純美ちゃん。今日のご馳走も負けないくらいおいしいから、今のうちにお腹を空かせておいてね」

「はい」

「期待には応えられるはずだよ。味見した百合が最高傑作だって言ってくれたからね」

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