エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 ご馳走の後はロッコさん渾身のデザートがテーブルに並べられ、食後のコーヒーを味わう時間になった。

「よかったら僕の料理の感想を聞かせてくれるかい?」

 そう言ったロッコさんの顔は、ノンアルコールのワインを飲んでいたのに赤く染まっている。

 濃い目に淹れてもらったブラックコーヒーを飲みながら、彼に返事をした。

「困ります。もう自分の料理をおいしいって思えなくなりました」

 当たり前だった食事に、今後は満足できないかもしれない。

 そのくらいおいしかったのだと伝えると、ロッコさんは声をあげて笑った。

「昔、友達からも似たようなことを言われたよ。気に入ってもらえてよかった」

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