エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 言うつもりのなかった本音がこぼれ出てしまい、すぐにはっとする。

「ごめんなさい、今のは……」

「聞かせて」

 楽しい空気に水を差してしまったと謝ろうとしたのに、先生は穏やかに私の話を促した。

「でも、せっかくパーティーなのに。嫌な気持ちにさせるかもしれません」

「どうして? 純美ちゃんが悲しいままでいるほうが嫌な気持ちになるよ」

 百合先生のまっすぐな優しさが涙を誘う。

 その隣ではロッコさんも同意を示して、うんうんとうなずいていた。

 ……本当に相談してもいいのだろうか?

 ためらう私の言葉を待っているのか、ふたりは黙っている。

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