エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 百合先生が真面目な顔で手を振る。

 その姿を見て、少し笑ってしまった。

「だけどそういう時は、私からごめんねって言うの」

「喧嘩しても愛し合ってるから、最後はキスで仲直りできるんだ」

 ふたりの絆の深さは、一緒に過ごした数時間だけで充分伝わっている。

「純美もきっとそれで解決だよ。だって旦那さんを愛してるんだから」

 そう言われて、またこぼれた涙を拭う。

「だけど彼は私を……」

「愛してなかったら、一緒にいないよ」

 百合先生がティッシュを取って、私の目もとを拭いてくれた。

「まだ離婚してないんでしょ? それなら大丈夫」

「でも……」

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