エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 事情を話せないから、曖昧に濁すしかできない。

 さすがにそこまでなにもかも明かすのは、自分だけの問題じゃないことを考えると違う気がした。

「じゃあ改めて仲直りしよう。どう?」

 ロッコさんの言葉を聞いた瞬間、頭の中がクリアになる。

 そういえば私は、ちゃんと北斗に謝っただろうか?

 なによりも最初にやらなければいけないことなのに、ずっと忘れていたんじゃないだろうか?

「仲直りできると思いますか?」

「できるよ」

「できるさ」

 示し合わせたように同時に言うものだから、また笑ってしまう。

 目尻に残っていた涙が落ちたはずみに、またひとつ気づいた。

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