エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「旦那さんが来られないと聞いてたから、お土産に」

 渡されたそれは意外にもずっしり重かった。

「なにからなにまですみません……」

「ダークチョコのテリーヌだよ。旦那さんと一緒に食べて、チョコ味のキスをしたらきっと仲直りできる。僕はいつもそうしてるからね」

 引っ込んだ涙が、彼の優しさでまたこぼれそうになる。

「そうだったらいいです。でもおいしすぎて逆に喧嘩になっちゃうかも」

「その時はふたりで遊びに来て。みんなで一緒に作ろう」

「はい」

 ぎりぎり涙を堪えると、ロッコさんが両手を軽く広げた。

 お別れと感謝の気持ちを込めて、ぎゅっとハグをする。

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